「小麦色の仲間たち」あらすじ

まぼろしの作品「小麦色の仲間たち」は、企画され脚本も完成していたが、結局映画化されなかった。その内容は、あまり知られていないので、紹介することにする。「キューポラのある街」に続く社会派ドラマとして期待していたが、その後演劇化されたものの、とうとう映画化されなかった。

スタッフ

主要キャスト

概略

舞台は下町の葛飾、ある日、牧男と工員たちが食堂イヅミ屋で朝食を摂っているときに、イチ子の弟が交通事故の知らせが入った。下町診療所で京子に診察を受けている待合室に、イチ子、牧男、新治、バイクの青年が集まり、治療代の支払い交渉をしている。映画の始まりのシーンで、人物関係を把握させているのである。
その夜、イヅミ屋で牧男、新治、五郎がビールを飲んでいる時に、学校の体育館を建てるのに高額な強制寄付を募っている話題が出て、牧男がイチ子の前で新聞に投書をしてやると息巻いた。この発言が後に大事件に発展して行くのである。
数日後、新聞記者の訪問を受けた牧男は、「義務教育の施設は国が負担すべきで、強制的な寄付を募るのは不信であり、調査の必要があると思う。」という投書があったことを知る。寝耳に水の話であるが、皆のけしかけに認めてしまう。
後日、本当の投書をした人物を見つけることにするが、判明しない。そうこうする内に投書は新聞に掲載された。その結果、工場で嫌がらせを受け、アパートを追い出される事になった。こうなったからには、投書本人になりきって寄付反対の運動をしていくことにする。その姿を見て、イチ子は牧男を頼もしく思うようになる。
ある日、牧男はチンピラ達に暴行を受ける。そして、PTA会長の古田に、この真相を公表して欲しくなければ謝罪を求めるという交渉を行う。イチ子は、けがをした牧男を見舞うが、言葉の行き違いでお互いに気まずくなる。
牧男が暴行を受けた真相を町中に知らせ、体育館を全額公費でまかなう町会総会を開く決意を聞いたイチ子は、居たたまれなくなってしまう。
イチ子は、牧男を訪ね、投書を書いたのは自分であることを告白する。どうしてそんなことをしたのかは、「あなたを好きだから。」と好意も告白してしまう。
数日後、体育館は寄付なしで建てることに決まった。アパートの前で、その喜びを放送局の記者のマイクに向かって話す皆に、牧男は「自分の家に便所が欲しい。」と発言して大笑いになる。
翌日、仲間たちが牧男のために便所作りを始める。イチ子が出前するという”むすび”が遅いというので、牧男が迎えに行き、途中で鉢合わせとなる。イチ子を後ろに載せた自転車が遠ざかるところでエンド・マーク。


(c)J. Shinshi

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