世界映画史上ベスト10

英国映画協会(British Film Institutre)が、1952年から10年毎に行っている「映画史上トップテン」を一覧表にしてみました。「キネマ旬報」の伝統の方式にならい、ランキングしてあります。
オーソン・ウェルズ監督の「市民ケーン」は、1962年以来何度も第1位に選ばれ、不滅のベストワンです。

なお、コメントは、私より遥かに素晴らしい解説をされた方がいますので、下記の推薦図書を参考にして下さい。
 「淀川長治 映画ベスト1000」 淀川長治/著、岡田喜一郎/編・構成 河出書房新社 2000年5月25日発行


B.F.I. 「世界映画史上トップ10」
映画題名
Title
2022
(批評家)
2022
(監督)
2012
(批評家)
2012
(監督)
2002
(批評家)
2002
(監督)
1992
(批評家)
1992
(監督)
1982197219621952
市民ケーン
Citizen Kane
(1941:、O.ウェルズ)
12
めまい
Vertigo
(1958:、A.ヒッチコック)
  
ゲームの規則
La Regle du Jeu
(1939:、J.ルノワール)
    10
東京物語
Tokyo Story
(1953:、小津安二郎)
     
8・1/2
Otto e Mezzo
(1963:、F.フェリーニ)
 10 
2001年・宇宙の旅
2001: A Space Odeyssey
(1968:米・英、S.キューブリック)
 10   
戦艦ポチョムキン
Бронеосеч Потемкин
(1925:露、S.エイゼンシュテイン)
  11   
ゴッドファーザー
The Godfather
ゴッドファーザーPart2
The Godfather Part 2
(1972,1974:、F.F.コッポラ)
12 

 
 

 
自転車泥棒
Ladri di Biciclette
(1948:、V.デ・シーカ)
   10     
情事
L'avventura
(1960:、M.アントニオーニ)
        
ジャンヌ・ディエルマン、
ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番
Jeanne Dielman,
23 Quai du Commerce, 1080 Bruxelles

(1975:、C.アケルマン)
       
裁かるゝジャンヌ
La Passion de Jeanne d'Arc
(1928:、C.ドライアー)
     10  
レイジング・ブル
Raging Bull
(1980:、M.スコセッシ)
       
アタラント号
L'Atalante
(1934:、J.ヴィゴ)
  12     10 
七人の侍
Seven Samurai
(1954:、黒澤明)
    11 10  
捜索者
The Searchers
(1956:、J.フォード)
   11  10  
雨に唄えば
Singin' in the Rain
(1952:、G.ケリー、S.ドーネン)
10        
グリード
Greed
(1924:、E.v.シュトロハイム)
          
サンライズ
Sunrise
(1927:、F.W.ムルナウ)
11         
街の燈
City Lights
(1931:、C.チャップリン)
           
黄金狂時代
The Gold Rush
(1925:、C.チャップリン)
           
雨月物語
Ugetsu
(1953:、溝口健二)
         10
花様年華
In The Mood for Love
(2001:香、王家衛)
    
仮面・ペルソナ
Persona
(1966:西、I.ベルイマン)
        
偉大なるアンバーソン家の人々
The Magnificent Ambersons
(1942:、O.ウェルズ)
          
アラビアのロレンス
Laurence of Arabia
(1962:米・英、D.リーン)
         

La Strada
(1954:、F.フェリーニ)
          
タクシー・ドライバー
Taxi Driver
(1976:、M.スコセッシ)
 12      
博士の異常な愛情
Dr. Strangelove
(1963:、S.キューブリック)
         
ルイジアナ物語
Louisiana Story
(1948:、R.フラハティ)
           
イントレランス
Intolerance
(1916:、D.W.グリフィス)
           
地獄の黙示録
Apocalypse Now
(1979:、F.F.コッポラ)
        
カメラを持った男
Человек с киноаппаратом
(1929:露、D.ヴェルトフ)
          
大地のうた
Pather Panchali
(1955:印、S.ライ)
         11
モダン・タイムス
Modern Times
(1936:、C.チャップリン)
           
大列車強盗
The General
(1926:B.キートン、C.ブルックマン)
        10  
美しき仕事
Beau Travail
(2000:、C.ドゥニ)
     

Зеркало
(1974:露、A.タルコフスキー)
       
イワン雷帝
Иван Грозный
(1944:露、S.エイゼンシュテイン)
           
陽は昇る
Le Jour se Leve
(1939:、M.カルネ)
           
羅生門
Rashomon
(1950:、黒澤明)
      10    
マルホランド・ドライブ
Mulholland Drive
(2001:、D.リンチ)
     
クローズ・アップ
Nema-ye Nazdik
(1990:イラン、A.キアロスタミ)
       
揺れる大地
La Terra Trema
(1948:、L.ヴィスコンティ)
           
野いちご
Smultronstallet
(1957:西、I.ベルイマン)
         10 
逢びき
Brief Encounter
(1946:、D.リーン)
           10
二十四時間の情事
Hiroshima mon Amour
(1959:、A.レネ)
          11
バリー・リンドン
Barry Lyndon
(1975:英・米、S.キューブリック)
 12       
生きる
Ikiru
(1952:、黒澤明)
         12 
ル・ミリオン
Le Million
(1931:、R.クレール)
           12
サン・ソレイユ
Sans Soleil
(1982:、C.マルケル)
        
ショア
SHOAH
(1985:、C.ランズマン)
        
夜と霧
Nuit et Brouillard
(1955:、A.レネ)
           

英国映画協会の「映画史上トップテン」を発表する「Sight and Sound」誌は、2002年に1978年以降の近年のベスト作品を選出しました。1位には、「地獄の黙示録, Apocalypse Now」が、2位には、「レイジング・ブル, Raging Bull」が選ばれました。、3位は、「ファニーとアレクサンデル, Fanny och Alexander」(1982:西・仏・独、I.ベルイマン)、4位は、「グッドフェローズ, Goodfellas」(1990:米、M.スコセッシ)、5位は、「ブルー・ベルベット, Blue Velvet」(1986:米、D.リンチ)が選ばれました。
そして、2014年に「ドキュメンタリー映画史上トップテン」が発表されました。1位には、「カメラを持った男, Человек с киноаппаратом」で、2位・3位・4位には、「サン・ソレイユ, Sans Soleil」「ショア, Shoah」「夜と霧, Nuit et Brouillard」が選ばれましたので追記しました。


次は、113人の映画のプロフェッショナルによる、日本で初めての世界映画ベストテンです。1995年10月に、映画誕生100年を記念し、古今東西を区別せず、「キネマ旬報」の伝統の方式でランクされました。日本人の嗜好が反映されていますね。
また、2715人の読者が選んだ世界映画オールタイム・ベストテンも併記しました。プロとの選考基準の違いが出ています。
キネマ旬報「世界映画オールタイム・ベスト10」
映画題名
Title
1995
(プロ)
1995
(読者)
キネマ旬報ベストテン
七人の侍
Seven Samurai

(1954:、黒澤明)
第28回(1954) 日本映画3位
市民ケーン
Citizen Kane

(1941:、O.ウェルズ)
(18)第40回(1966) 外国映画2位
2001年・宇宙の旅
2001: A Space Odeyssey

(1968:米・英、S.キューブリック)
第42回(1968) 外国映画5位
東京物語
Tokyo Story

(1953:、小津安二郎)
10第27回(1953) 日本映画2位
天井桟敷の人々
Les Enerants du Paradis
(1945:、M.カルネ)
第26回(1952) 外国映画3位
戦艦ポチョムキン
Бронеосеч Потемкин
(1925・露、S.エイゼンシュテイン)
(28) 
駅馬車
Stagecoach
(1939:、J.フォード)
(17)第17回(1940) 外国映画2位
ウェスト・サイド物語
West Side Story
(1961:、R.ワイズ、J.ロビンス)
(50)第35回(1961) 外国映画4位
甘い生活
La Dolce Vita
(1959:、F.フェリーニ)
 第34回(1960) 外国映画2位
大いなる幻影
La Grande Illusion
(1937:、J.ルノワール)
10(21)第23回(1949) 外国映画2位
第三の男
The Third Man
(1949:、C.リード)
(11)第26回(1952) 外国映画2位
ローマの休日
Roman Holiday
(1953:、W.ワイラー)
(34)第28回(1954) 外国映画6位
アラビアのロレンス
Laurence of Arabia

(1962:英・米、D.リーン)
(22)第37回(1963) 外国映画1位
ゴッドファーザー
The Godfather
ゴッドファーザーPart2
The Godfather Part2

(1972,1974:、F.F.コッポラ)
(18)第46回(1972) 外国映画8位

第49回(1975) 外国映画8位
風と共に去りぬ
Gone with The Wind
(1939:、V.フレミング)
(13) 

La Strada

(1954:、F.フェリーニ)
(36)第31回(1957) 外国映画1位

キネマ旬報では、映画史上のベストテン(外国映画編)を戦後復刊1000号記念として1989年に発表して以来、10年毎にオールタイム・ベストテン(外国映画編)を発表しています。上記の(世界映画編)から日本映画を除いたリストを加えてランク付けしてみました。
キネマ旬報「外国映画オールタイム・ベスト10」
映画題名
Title
2009
(プロ)
(読者)
19991995
(プロ)
(読者)
1989キネマ旬報ベストテン
ブルーリボン賞
2001年・宇宙の旅
2001: A Space Odeyssey

(1968:米・英、S.キューブリック)


第42回(1968) 外国映画5位
第三の男
The Third Man
(1949:、C.リード)

11
第26回(1952) 外国映画2位
ローマの休日
Roman Holiday
(1953:、W.ワイラー)

 
10第28回(1954) 外国映画6位
天井桟敷の人々
Les Enerants du Paradis
(1945:、M.カルネ)
10
11
第26回(1952) 外国映画3位
市民ケーン
Citizen Kane

(1941:、O.ウェルズ)
 
 

 
第40回(1966) 外国映画2位
アラビアのロレンス
Laurence of Arabia

(1962:英・米、D.リーン)
10
 
 第37回(1963) 外国映画1位
風と共に去りぬ
Gone with The Wind
(1939:、V.フレミング)
 
 
 
ゴッドファーザー
The Godfather
ゴッドファーザーPart2
The Godfather Part2

(1972,1974:、F.F.コッポラ)

 
 
 第46回(1972) 外国映画8位

第49回(1975) 外国映画8位

La Strada

(1954:、F.フェリーニ)
10
 
 第31回(1957) 外国映画1位
第8回(1957) ブルーリボン外国作品賞
駅馬車
Stagecoach
(1939:、J.フォード)
10
 

 
第17回(1940) 外国映画2位
ウエスト・サイド物語
West Side Story
(1961:、R.ワイズ、J.ロビンス)

 
 
 
10第35回(1961) 外国映画4位
勝手にしやがれ
A Bout de Souffle
(1959:、J.L.ゴダール)

 
  
 
第34回(1960) 外国映画8位
タクシー・ドライバー
Taxi Driver

(1976:、M.スコセッシ)

 
  
 
 第50回(1976) 外国映画1位
第19回(1976) ブルーリボン外国作品賞
灰とダイヤモンド
Popiół i Diament
(1958:波、A.ワイダ)
 
 
  
 
第33回(1959) 外国映画2位
ワイルド・バンチ
The Wild Bunch
(1969:、S.ペキンパー)

 
  
 
  
大いなる幻影
La Grande Illusion
(1937:、J.ルノワール)
 
 
 10
 
第23回(1949) 外国映画2位
禁じられた遊び
Jeux Interdits
(1952:、R.クレマン)
 
 
 
 
10第27回(1953) 外国映画1位
第4回(1953) ブルーリボン外国作品賞
戦艦ポチョムキン
Бронеосеч Потемкин
(1925・露、S.エイゼンシュテイン)
 
 

 
 
ニュー・シネマ・パラダイス
Nuovo Cinema Paradiso
(1988:、G.トルナトーレ)
 
  
 
第61回(1989) 外国映画7位
ブレード・ランナー
Blade Runner
(1982:、R.スコット)

 
  
 
  
甘い生活
La Dolce Vita
(1959:、F.フェリーニ)
 
 
 
 
 第34回(1960) 外国映画2位
太陽がいっぱい
Plein Soleil
(1960:仏・伊、R.クレマン)
 
11 
 
 第34回(1960) 外国映画3位
グラン・トリノ
Gran Torino
(2008:、C.イーストウッド)
10
 

第82回(2009) 外国映画1位
第52回(2009) ブルーリボン外国作品賞
めまい
Vertigo

(1958:、A.ヒッチコック)
10
 
  
 
  
暗殺の森
Il Conformista
(1970:伊・仏・独、B.ベルトルッチ)
10
 
  
 
  
地獄の黙示録
Apocalypse Now

(1979:、F.F.コッポラ)
10
 
  
 
 第54回(1980) 外国映画3位
エル・スール
El Sur
(1983:西、V.エリセ)
10
 
  
 
  
十二人の怒れる男
12 Angry Men
(1957:、S.ルメット)
 
10
  
 
 第33回(1959) 外国映画1位
第10回(1959) ブルーリボン外国作品賞
ベニスに死す
Death in Venice
(1971:米・伊・仏、L.ヴィスコンティ)
 
10
  
 
 第45回(1971) 外国映画1位
ゲームの規則
La Regle du Jeu

(1939:、J.ルノワール)
  12 
 
  

キネマ旬報は、創刊100年特別企画で年代別ベスト・テン(外国映画編)を発表しました。その1位と2位に独断でベストな作品を追記しました。
「年代別ベストテン」の1位・2位と個人的なベスト作品
1970年代(2018年7月発表)
順位作品名キネ旬ベストテン
タクシー・ドライバー
Taxi Driver
1976年:、M・スコセッシ
第50回(1976)外国映画1位
ダーティー・ハリー
Darty Harry
1971年:、D・シーゲル
第46回(1972)外国映画11位
 ゴッドファーザー
The Godfather
1972年:、F・F・コッポラ
第46回(1972)外国映画8位
1980年代(2018年12月発表)
順位作品名キネ旬ベストテン
ブレード・ランナー
Blade Runner
1982年:、R・スコット
第56回(1982)外国映画25位
ストレンジャー・ザン・パラダイス
Stranger Than Paradise
1986年:、G・ジャームッシュ
第60回(1986)外国映画1位
 E.T.
The Extra-Terrestrial
1982年:、S・スピルバーグ
第56回(1982)外国映画1位
 ニュー・シネマ・パラダイス
Nuovo Cinema Paradiso
1988年:伊・仏、G・トルナトーレ
第61回(1987)外国映画7位
1990年代(2019年9月発表)
順位作品名キネ旬ベストテン
牯嶺街少年殺人事件
A Brighter Summer Day
1991年:台、エドワード・ヤン
第66回(1992)外国映画2位
許されざる者
Unforgiven
1992年:、C・イーストウッド
第67回(1993)外国映画1位
 シンドラーのリスト
Schindler's List
1993年:、S・スピルバーグ
第68回(1994)外国映画6位
2000年代(2020年7月発表)
順位作品名キネ旬ベストテン
殺人の追憶
Memories of Murder
2003年:韓、ポン・ジュノ
第78回(2004)外国映画2位
花様年華
In The Mood for Love
2001年:香、ウォン・カーウァイ
第75回(2001)外国映画2位
 グラン・トリノ
Gran Torino
2008年:、C・イーストウッド
第82回(2008)外国映画1位

キネマ旬報は、2019年の映画史上のベストテン(外国映画編)を発表しませんでした。その代わりに独断で「心に残る20世紀+2000年代の傑作映画」と題して、映画史上のベストテンから外れている作品を公開順に選んでみました。(2022年改訂)
外国映画・心に残る20世紀+2000年代の傑作映画
映画題名
Title
キネマ旬報ベストテン
ブルーリボン賞
果てなき船路
The Long Voyage Home
(1940:、J.フォード)
 
疑惑の影
Shadow of a Doubt
(1942:、A.ヒッチコック)
第20回(1946) 外国映画3位
荒野の決闘
My Darling Clementine
(1946:、J.フォード)
第21回(1947) 外国映画2位
サンセット大通り
Sunset Boulevard
(1950:、B.ワイルダー)
第25回(1951) 外国映画2位
第2回(1951) ブルーリボン外国作品賞

Le Fleuve
(1951:仏・印・、J.ルノワール)
第26回(1952) 外国映画4位
恐怖の報酬
Le Salaire de la Peur
(1953:仏・伊、H-G.クルーゾー)
第28回(1954) 外国映画2位
第5回(1954) ブルーリボン外国作品賞
素晴らしい風船旅行
Le Voyage en Ballon
(1960:、A.ラモリス)
第35回(1961) 外国映画2位
かくも長き不在
Une Aussi Longue Absencen
(1961:、H.コルピ)
第38回(1964) 外国映画1位
突然炎のごとく
Jules et Jim
(1962:、F.トリュフォー)
第38回(1964) 外国映画2位

The Birds
(1963:、A.ヒッチコック)
第37回(1963) 外国映画4位
軽蔑
Le Mepris
(1963:仏・伊、J.L.ゴダール)
第38回(1964) 外国映画7位
ジョニーは戦場へ行った
Johnny got His Gun
(1971:、D.トランボ)
第47回(1973) 外国映画2位
ジャッカルの日
The Day of the Jackal
(1973:、F.ジンネマン)
第47回(1973) 外国映画4位
家族の肖像
Gruppo di Famiglia in un Interno
(1974:伊・仏、L.ヴィスコンティ)
第52回(1978) 外国映画1位
第21回(1978) ブルーリボン外国作品賞
アニー・ホール
Annie Hall
(1977:、W.アレン)
第52回(1978) 外国映画10位
冬冬の夏休み
冬冬的假期
(1984:台、侯孝賢)
第64回(1990) 外国映画4位
八月の鯨
The Whales of August
(1987:、L.アンダーソン)
第62回(1988) 外国映画4位
霧の中の風景
Topio stin Omichli
(1988:希・仏・伊、T.アンゲロプロス)
第64回(1990) 外国映画3位
悲情城市
悲情城市
(1989:台・香、侯孝賢)
第64回(1990) 外国映画1位
ショーシャンクの空に
The Shawshank Redemption
(1994:、F.ダラボン)
第69回(1995) 外国映画1位
マディソン郡の橋
The Bridges of Madison County
(1995:、C.イーストウッド)
第69回(1995) 外国映画3位
第38回(1995) ブルーリボン外国作品賞
初恋のきた道
我的父親母親
(1999:中、張芸謀)
第74回(2000) 外国映画4位
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
There will be Blood
(2007:、P.T.アンダーソン)
第82回(2008) 外国映画2位
パラサイト・半地下の家族
Parasite
(2019:韓、ポン・ジュノ)
第94回(2020) 外国映画1位
第63回(2020) ブルーリボン外国作品賞
燃ゆる女の肖像
Portrait de la Jeune Fille en Feu
(2019:、C.シアマ)
第94回(2020) 外国映画3位



参考までに、米国映画協会(American Film Institutre)が、1998年と2007年に選出した米国映画史上のトップ100の内、トップ10を紹介します。米国の映画関係者約1500人による選ばれました。B.F.I.による世界の映画関係者による選出作品もありますが、アメリカ人の好みも窺え、興味深いものがあります。
A.F.I. 「米国映画史上トップ10」
映画題名
Title
20071998アカデミー賞
英国アカデミー賞
市民ケーン
Citizen Kane

(1941:米、O.ウェルズ)
第14回(1941)アカデミー賞・ノミネート
ゴッドファーザー
The Godfather

(1972:米、F.F.コッポラ)
第45回(1972)アカデミー賞・作品賞
カサブランカ
Casablanca
(1942:米、M.カーティス)
第16回(1943)アカデミー賞・作品賞
風と共に去りぬ
Gone with The Wind
(1939:米、V.フレミング)
第12回(1939)アカデミー賞・作品賞
アラビアのロレンス
Laurence of Arabia

(1962:英・米、D.リーン)
第35回(1962)アカデミー賞・作品賞
第16回(1962)英国アカデミー賞・作品賞
雨に唄えば
Singin' in the Rain

(1952:米、G.ケリー、S.ドーネン)
10第6回(1952)英国アカデミー賞・ノミネート
レイジング・ブル
Raging Bull

(1980:米、M.スコセッシ)
 第53回(1980)アカデミー賞・ノミネート
オズの魔法使
The Wizard of Oz
(1939:米、V.フレミング)
10第12回(1939)アカデミー賞・ノミネート
シンドラーのリスト
Schindler's List
(1993:米、S.スピルバーグ)
第66回(1993)アカデミー賞・作品賞
第47回(1993)英国アカデミー賞・作品賞
卒業
The Graduate
(1967:米、M.ニコルズ)
 第40回(1967)アカデミー賞・ノミネート
第22回(1968)英国アカデミー賞・作品賞
波止場
On The Waterfront
(1954:米、E.カザン)
 第27回(1954)アカデミー賞・作品賞
第8回(1954)英国アカデミー賞・ノミネート
めまい
Vertigo

(1958:米、A.ヒッチコック)
  


アメリカ映画史上ワースト5
ついでに、ゴールデンラズベリー賞のワースト3を紹介します。ゴールデンラズベリー賞は、通称ラジー賞と称され、アメリカで1980年に創設されました。優秀な映画ではなく、最低な映画の審査を行います。と言っても、いわゆるB級・C級作品だけではなく、前評判と完成作品の激しいギャップや、実績があるにも関わらず駄作にしてしまった監督や出演者を選考しています。また、ラジー賞創設以前の最低映画も紹介し、アメリカ映画史上ワースト5とします。
プラン9・フロム・アウタースペース Plan 9 From Outer Space
1959年、エド・ウッド監督の作品。エド・ウッドは、米史上最低の監督と言われています。宇宙人が地球人の死体を蘇みがえらせて、侵略の手先に使う話しです。宇宙ドラキュラ役のベラ・ルゴシは、撮影開始早々に死去してしまったので、代役を起用しました。顔をマントで隠したり、後ろ向きで登場するのが代役です。セットがチャチで、まるでオモチャですし、車が通っても平然と撮影されています。ストーリーもいい加減で余りにも馬鹿馬鹿しく、苦笑せざるを得ません。この映画は監督自身が最高傑作と信じていた作品であり、カルト的な人気があるようです。
死霊の盆踊り Orgy of The Dead
1965年、A・C・スティーブン監督の作品。脚本がエド・ウッドですので、いきなりイヤな予感がします。そうです、これぞアメリカ史上最低最悪の映画です。人によっては、Z級映画と称します。演出、演技、撮影、編集など、全てが異常なまでに最低です。ストーリーらしきものを書きますと、小説家のボブが、恋人とネタ探しに真夜中に墓場をドライブします。墓場では、夜の帝王と闇の女王が死霊たちの宴を開いていました。夜の帝王役のクリスウェルの視線がおかしな方向にあると思ったら、カンニングペーパーを読んで台詞を言っています。しかも棒読み。夜中のはずなのに、突然真っ昼間になったり、夜になったり。映画のシーンのほとんどが女死霊の(盆)踊り、しかもヘタ。捕まったボブとその恋人は、拷問に掛けられると思いきや、踊りを見させられるだけです。到底最後まで観賞できずに、居眠りしてしまうでしょう。
愛と憎しみの伝説 Mommie Dearest
1981年、フランク・ベリー監督の作品。女優のジョーン・クロフォードの養女クリスティーナ・クロフォード原作で、ジョーンが自分の優しさをアピールする為に養女を貰ったが、実際には虐待していたという自叙伝です。しかし、監督はジョーンの人物を描き切れず、ジョーン役のフェイ・ダナウェイの演技がオーバーでやりすぎてしまっています。
ショーガール Showgirls
1995年、ポール・バーホーベン監督の作品。アメリカのショービジネスの暗部を描こうとしていますが、余りにも露骨すぎる暴力とセックスシーンの演出で、肝心の人物描写が浅い結果となっています。しかし、カルト的な評価も得ています。でも、やはり名作とは言い難いでしょう。
バトルフィールド・アース Battlefield Earth
2000年、ロジャー・クリスチャン監督の作品。新興宗教の教祖であるロン・ハバードの原作を信者のジョン・トラボルタが製作・主演した映画です。ベストセラーを記録したようですが、観たのは信者ばかりで、おまけに米映画最高傑作と宣伝しまくっていました。名作「猿の惑星」シリーズと「スター・ウォーズ」シリーズをバクッたにしては酷い駄作です。日本でも、某カルト宗教の映画が、大手映画会社で配給して顰蹙を買ったことがありましたね。

(c) J. Shinshi

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