| 題名 | 公開日 | 配給 | 監督 | 脚本 | 間崎役 | 恵子役 | スミ役 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 若い人 | 1937-11-17 | 東宝 | 豊田四郎 | 八田尚之 | 大日向伝 | 市川春代 | 夏川静江 |
| 若い人 | 1952-07-08 | 東宝 | 市川崑 | 内村直也 和田夏十 市川崑 | 池辺良 | 久慈あさみ | 島崎雪子 |
| 若い人 | 1962-10-06 | 日活 | 西河克己 | 三木克巳 | 石原裕次郎 | 吉永小百合 | 浅丘ルリ子 |
| 若い人 | 1977-04-29 | 東宝 | 河崎義祐 | 長野洋 | 小野寺昭 | 桜田淳子 | 三林京子 |
「若い人」は、石坂洋次郎の名作であり、テレビドラマでも何度も製作されている。ここでは映画版のみを比較するが、戦前の豊田四郎版は未見であるので、データのみの紹介になる。
市川崑版は、原作に最も近いストーリーであり、江波恵子と橋本スミの対立で間崎慎太郎が翻弄される様を緊迫感のある構成で描かれている。後に多用されるカット割りを用いず、美しい構図で隠れた名作と思うが、完全な形でのフィルムが残っていればDVD化して欲しいと願っている。
西河克己版は、日活の青春路線の上での映画化であるので、それなりの脚色がされているが、作品としての評価は悪くない。問題児である江波恵子を巡って間崎慎太郎の対応を橋本スミ子が冷静に見つめるという構成である。エキセントリックな少女を好演した吉永小百合による実筆的な主演映画であった。また、舞台を函館ではなく長崎に置き、明るく描いているのも好感が持てる。
河崎義祐版は、橋本スミ子役に吉永小百合をオファーしたが、脚本に納得できず断った。その代わりゲスト出演している。やはりストーリー構成が甘く、演出力も今一の感じで失敗作であろう。