「潮騒」のリメーク

題名公開日配給監督脚本初江役新治役
潮騒1954-10-20東宝
谷口千吉中村真一郎、谷口千吉青山京子久保明
潮騒1964-04-29日活森永健次郎棚田吾郎、須藤勝人吉永小百合浜田光夫
潮騒1971-09-24東宝
森谷司郎井出俊郎小野里みどり朝比奈逸人
潮騒1975-04-26東宝
西河克己須藤勝弥山口百恵三浦友和
潮騒1985-10-10東宝
小谷承靖剣持亘堀ちえみ鶴見辰吾

三島由紀夫の原作を文学者の中村真一郎が脚色した青山京子版は、未見である。裸で抱き合う場所が砂浜で、原作と異なるらしい。
映画化二作目は、吉永小百合版で、中林淳真のギターだけの音楽が印象的で、佳作として語られる。新治は、原作のイメージでは逞しい青年であるので、浜田光夫があまり相応しくないのであるが、日活青春コンビとして我慢しよう。しかし、観的哨で焚き火越しに裸で対峙するシーンでの浜田光夫の体が貧相で、がっかりした。原作イメージを逸脱しない範囲で脚色され、音楽と相俟って日本版ギリシャ神話の世界として描かれている。
映画化三作目の小野里みどり版も、未見である。
四作目が山口百恵版で、三浦友和の新治役が似合っていた。二人のイキが合っていて、ほほえましく観賞したのであるが、三島文学が青春ものとして描かれていて、吉永小百合版に比べると質が落ちる。山口百恵も好演しているので、百恵ファンの方はこちらの作品を推すと思う。
五作目は、堀ちえみ版で、初江役が最も似合わない人であった。鶴見辰吾の新治役は、なかなか良かったのであるが、作品としても出来が良くなく、再観賞する気になれない。


(c) J.Shinshi

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