題名 | 公開日 | 配給 | 監督 | 脚本 | フミ子役 | 光平役 |
---|---|---|---|---|---|---|
うず潮 | 1964-04-06 〜1965-04-03 | NHK-TV | 関口象一郎 岡本憙侑 辻元一郎 | 田中澄江 | 林美智子 | 津川雅彦 |
うず潮 | 1964-11-22 | 日活 | 斎藤武市 | 田中澄江 小山崎公明 | 吉永小百合 | 浜田光夫 |
「うず潮」は、林芙美子の原作となっているが、同名小説ではない。「放浪記」などの林芙美子の自伝的著作をもとに、田中澄江が脚本を書いたものである。1961年から始まったNHK-TVの連続ドラマの第4作目であり、初の女性主人公であり、波瀾万丈の物語であった。番組は、驚異的な視聴率を記録し、以降のドラマも女性路線になり、民放にも影響を与えた作品であった。そして映画界にも影響を与え、日活でも映画化されたのである。
テレビ版では、フミ子の女学生時代から戦後の晩年までを、少女期の貧しい生活にもへこたれず、明るくたくましく生き抜いて、作家として大成する姿を丹念に描いている。しかし、朝の放送なので見る機会は殆ど無かった。母親が熱心に見ていて、大変面白いと言っていたので、映画化されると聞いて期待大であった。
小百合版では、明るく文芸の好きな女学生の時代から、光平に魅かれながらも、境遇の相違からあきらめ、文学修行に東京に行くところまでで、晩年までは描かれなかった。それも当然のことで、その後はテレビドラマを見て欲しいと言うことであろう。映画(小百合)版も佳作で貧乏に耐えながらも明るく振る舞っているフミ子がいじらしかった。